New Release! 【言葉のない短篇 Short Stories without Words】 近藤直司&栗田妙子

アーティスト:近藤直司&栗田妙子

タイトル:言葉のない短篇 Short Stories without Words

品番:FULLDESIGN RECORDS FDR-1054

発売日:2025年10月15日(水)

価格:2,300円(税抜き) 2,530円(税込み)

JAN: 4582561406102

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メンバー:

近藤直司 Naoji Kondo (soprano, tenor, baritone sax)

栗田妙子 Taeko Kurita (piano, 鍵盤ハーモニカmelodica) 

“永く愛され、奏でられてきた曲たちを素材とした寓話的即興演奏”

近藤直司&栗田妙子のセカンドアルバム。全9曲収録

【収録曲紹介】 by近藤直司

1.エルビト(アンダルシア民謡) El Vito(Folklore Andalucia)

アンダルシア地方に発する有名な民謡。もともとは恋の唄ですが、フランコ独裁政権下では不当な裁判に抗議する内容の替え歌もあったようです。

2.マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調 第4楽章 アダージェット G. Mahler : Adagietto from Symphony No. 5

グスタフ・マーラーが1902年に完成した5番目の交響曲。アダージェットは、「アダージョ(ゆるやかに)よりやや速く」という速度記号ですが、サイモン・ラトルとベルリン・フィルの動画をみると、超ゆっくりで、どうやって合わせているのかわかりません。

3.チャイコフスキー:バレエ組曲 くるみ割り人形 金平糖の精の踊り P.I. Tchaikovsky : Dance of the Sugar Plum Fairy (from The Nutcracker)

オーケストラ版ではチェレスタで演奏される主題を鍵盤ハーモニカで演奏しています。

4.ドビュッシー:子供の領分 ゴリウォーグのケークウォーク C. Debussy  : Golliwogg’s Cakewalk (from Children’s Corner)

「ゴリウォーグのケークウォーク」はクロード・ドビュッシーが1908年に作曲したピアノのための組曲「子どもの領分」の第6曲目。アメリカのダンス音楽を素材として作曲されたようです。

5.ラフマニノフ:交響曲2番 第3楽章adagio S. Rachmaninov : Symphony No.2 [03]Adagio

「クラシック音楽史上最も甘美」などと形容される名曲ですが、その甘美なメロディは使わずに、コード進行だけ拝借してみました。

6.パデレフスキ:メヌエット I.J. Paderewski : Menuet

ポーランドのピアニスト、イグナツィ・ヤン・パデレフスキが1887年に作曲したピアノ曲。この人は、第一次世界大戦後のポーランド第二共和国の首相、1940年の亡命政府でも指導者を任された政治家でもあります。彼の自伝には「闘うピアニスト パデレフスキ自伝」という邦文タイトルがつけられています。

7.鳥の歌(カタルーニャ民謡) El Cant dels ocells(Folklore Catalonia)

パブロ・カザルスが紹介したカタルーニャ民謡。前作「知らない人 Stranger」でも収録しましたが、昨今の国際情勢をみるにつけ、強く平和を願う曲として、今回も収録することにしました。

8.ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 第18変奏 S. Rachmaninov : Piano Concert No.4 Rhapsody on Theme of Paganini Ver18(Andante Cantabile)

これも「歴史上最も」「世界一」と形容されることもある甘美な曲です。

9.ベートベン:ピアノソナタ 第8番 ハ短調「悲愴」第2楽章. L.V. Beethoven : Sonate für Klavier Nr.8 “Pathetique” 2.Satz Adagio cantabile

第1・2主題のみで構成し、サビ以降は使わずに演奏してみました。

奏者:近藤直司 Naoji Kondo (soprano, tenor, baritone saxophone)、栗田妙子 Taeko Kurita (piano, 鍵盤ハーモニカmelodica) 

録音・編集 Recording & Mastering:五島昭彦 Akihiko Goto

DC録音システム開発・製作 DC recording system development & production:金田明彦 Akihiko Kaneta

録音:2025年6月19日 かながわアートホール Kanagawa Art Hall

ジャケット写真:加藤崇之 Takayuki Kato

【近藤直司・栗田妙子DUOについて】 by栗田妙子

 どんなデュオかと訊かれるとクラシックの近代曲を題材にしたフリージャズと答えることが多かったのだが正直なところ私はこの答え方にいまひとつしっくりきていなかった。というわけでこの文章を書きながら、このデュオを改めて眺めてみようと思う。何か言葉も見つかるかもしれない。

 まず今回の録音曲目にはベートーベンもあるので、もはや近代という言葉はどうなのか…、さらに、ライブではポップスも題材にしているのでクラシックという言葉も半分しか適さないし、さらにフリージャズとはどんなものかを考えていくと、どんなフリージャズなのかという説明にもなりそうで、そんなことは考えなくてもよい(評論家に任せよう)というところに行き着き、結局のところ「近藤直司と栗田妙子の二人の合奏」これだけが確実で、しかしそれでは我々を知らない多くの人々は何も知識が得られないからCDを作っても売りづらい。巷では音楽についてコンセプトのはっきりしたライブや録音物は多く、聴く方も奏者側から発せられた言葉を拠り所として聴くきっかけとする傾向もあるようだからキャッチコピーが重要なのはわかる。しかし私はできるだけ言葉の説明から離れていたい。何故なら実際に欲する音楽は、それらコンセプトやキャッチコピーの奥の奥にあり、どんな美しさが在って胸に迫るか、どんなユーモアが在って胸をくすぐるか、どんな躍動があって胸が躍るか等々コンセプトに掲げるには微細なニュアンスの破片や集まりでできていて、当然且つ神秘的な追求によって得られる波動のようなものであり、それはコンセプトに掲げるような表面的なものとは別のものだと感じるからである。私がいまいちだと感じていた自分の説明はこの表面的な説明を繰り返していたからなのかもしれない。自省。 

 そんなわけで私は、二人がそれぞれに美しいと思うもの、(それは一瞬の選択もあるし時間をかけての選択もある)を尊重しながら、ただ合奏している。近藤さんは選曲以外に細かい話を全くしない人だが、いっしょに音を出していると美しいと思うことや愉快だと感じる事柄がこちらにはっきり伝わってくるから、それでいい。お互いにできることを照らし合いながら、今後もこのデュオの音楽を膨らませていけたらと思う。

【奏者プロフィール】

近藤直司 Naoji Kondo (Sprano, Tenor, Baritone Saxophone)

不破大輔、大沼志朗とのトリオで演奏活動をスタートし、LP「ライブ・アット・タルホ」(1986)」を発表。「のなか悟空&人間国宝」のメンバーとして、ロシア、セルゲイ・クリューヒン国際音楽祭(1998)、ドイツ、メルスジャズ祭(1999)に出演。原田依幸とのデュオでリトアニア、Vilnius Jazz 2009に出演。永田利樹、瀬尾高志とのトリオで、CD「petite fleur」(2016)、LP「desireless」(2016)、CD「鳥の歌( 2020)」を発表。組原 正、ヒゴヒロシ、本田珠也との「大変なユニット」でCD「Noise Ballads」(2019)、栗田妙子とのデュオでCD「知らない人stranger」(2021)を発表。

栗田妙子 Taeko Kurita(Piano, Melodica) 

即興を主体に様々な合奏を続けている。現在は自作曲を素材にした外山明(drums)とのデュオの他、渋谷毅(piano)とのデュオ、坂田明(sax)、水谷浩章(contrabass)とのトリオ、シンガーソングライター植村花菜(guitar & vocal)のカルテット他、多くのセッションやレコーディングに参加中。また2007年からバレエの伴奏にも携わり、舞台作品も多く書いている。2021年末には東京混声合唱団からの作曲委嘱作品を東混の定期演奏会で初演し(山田和樹指揮)好評を得る。同作品を2025年5月の東京カンタートにおいて合唱団ひぐらし(清水昭指揮)とともに再演。東京生まれ。